2008/07-08

0827
目黒川白濁
"清水"という性に刻まれた潜在意識なのか、単なる趣向なのか、水辺の空間が自分は好きだ。海は勿論、川も好き。用もないのについつい川面を眺めてしまう。事務所の窓からも目黒川が見えるのだが、何故か最近白濁している。由々しき自体だ!

0826
アクロス工場
本日完了検査。引渡しは9月初旬

0816
水の都
かつて東京(江戸)は水の都であった。と聞く。大掛かりな治水事業により町には堀や運河が張りめぐらされ、江戸市民の暮らしや産業を支えていた。そんな水辺空間の復興を目指し、東京都では、2006年2月に「東京の水辺空間の魅力向上に関する全体構想」を公表。今後10年間で、来訪者にも居住者にも魅力的な水辺の都市空間の実現を目指するという。同政策を裏付ける具体的事例として著名な天王洲WATER LINEを訪れてみた。運河の上に船のように浮かんだカフェラウンジ。潮の干満の差を考慮して、浮き基礎によって、実際に水面に浮いているそうだ。真夏の夕暮れ時、さわやかな風を楽しむことも出来、東京の水辺が捨てたものでないと実感できる。従来、船舶の係留に必要な「水面占用許可」は商業利用では交付されなかったが、東京都港湾局が打ち出した「運河ルネッサンス」構想により、許認可を得て水際空間を実現している。過去のノスタルジーに浸る気は毛頭ないが、現代のライフスタイルに合った、水際の過ごし方が、何らかの形で実現できていることに、勇気づけられた。

0810
神宮前ギャラリーロケット
工事完成直前。高さ7mののっぽな扉がついた。オープンは9月17日。

0805
使い込まれた治具

0805
農場の法則
とあるディベロッパー社長との会合。異業者からみた建築設計者の興味深い話を頂けた。一昔前は一概にそうとも言い切れないだろうが、昨今建築家に、お金持ちがいない。そこそこ儲かっている人は聞くが、いわゆる富裕者層とよばれる所得に届く人は稀だと言う。確かにそうだ。何故か、ビジネスモデルが根源的に儲かる仕組みになっていないと氏は言う。建築家が建設まで請け負うことはまずない。設計施工のジャイアント業態はゼネコンが存在する。建設を請け負わないまでも、建設コスト管理上の責任を業務として担っていないケースが多くこれでは、ノーリスクであると。儲かる仕組みに、ハイリスク、ハイリターンはあっても、ノーリスク、ハイリターンは非常に成立し難いと言う。確かにそう思う。では、自分たちの様な、小さなアトリエ設計事務所は、どんな行動を取るべきか。
<農場の法則>春に種を蒔き、夏には、手入れをし、秋には刈り取る。。。。(スティーブン.R.コビィー著”7つの習慣”)建築家は種まきを積極的に行う人が少ないと。国家資格がそうさせるのか、アカデミックとビジネスを両天秤に掛けながら、一方で”先生”一方で”ビジネスマン”を装う分裂症に疲弊しているのだろうか。待っていれば仕事が来る時代でもない、であれば、種を撒けと。ただ、注意すべきは、どのような種を撒くのかと、手入れをし手間暇掛けて育てる=コストに跳ね返ってこないようにすることだと。うむ、勉強になった。

0804
開発
宅地分譲案件、購入の相談があり、現地に立ち会った。場所は千葉県東金市の東金レイクサイドヒル。総開発面積約167万平方メートル、計画戸数約2800戸。民間開発プロジェクトとしては首都圏屈指のスケールとのことだ。都心部から50km、車で1時間ちょいぐらい。ぎりぎり通勤圏といえるか。つい先頃まで、湾岸地区を含め、都心部のタワーマンション建設ラッシュがメディアを賑わし、都心回帰が謳われていたのが、記憶に新しい。昨今耳に入るのは、40km,50km圏内の開発。ここにきて、郊外化が進むのか?学生のころ、”建築と都市”、といったフレーズをよく耳にした。建築家は都市に向かうべきだと。。。。が、昨今、都市計画に一石を投じる建築家による意見は稀に感じる。一方で、ディベロッパーによる大規模開発はちゃくちゃくと進んでいる。なにか無力さを感じた瞬間であった。

0731
新規案件相談
千葉県市原市姉ヶ崎に、クリニック建設の相談があり、現地視察およびオリエン。昨今の物価高騰、基準法改正による工期の遅れなど、建築を取り巻くネガティブな要素は、なるべく初めてクライアントに会った際に伝えるようにしている。事実であるし、妙な期待を抱いて欲しくないからだ。建設コストは数年前の感覚とかなり異なる。RC造、地盤改良杭なし、延べ面積100坪であれば、2年前は70万/坪からで計画できた。(特殊な設備や内装、外構、抜き)昨今は100万/坪ぐらい見ておかないと、事業計画自体に破綻をきたす。今回オファーを頂いた計画もさほど予算に余裕はない。設計と同時進行で積算が必要となる。

0728
グリーンアイランド
両国旧安田庭園。緑がある場所は、涼しい。

0726

東京芸大時代の同級生結婚披露パーティへ。久しぶりに旧友に会うのも良い。新郎新婦共、建築学科卒業なので、建築同業者がたくさん集まっていた。写真は河内一泰氏、山口誠氏、自分

0724
新規依頼
住宅の建て替え計画の依頼があり、現地訪問。藤沢湘南台病院に隣接し、ヒマラヤスギに囲まれた良好な住環境を思わせる。月並みだが、建主にとって、建替える、または住宅を新しく作ることは、一生の内にそうめったにない、1大イベントだと思う。どこに頼むのか、どれぐらいの規模が必要なのか、予算をどの程度確保出来るのか、決めなければいけないことが山ほどある。さらに、我々のような設計事務所に設計を依頼し、注文住宅を建てるとなると、商品化住宅を購入する事に比べて、建主の時間と労力はかなり掛かると思う。それでも、声を掛けて頂けるのは、それぞれの家庭の、それぞれのライフスタイルのなかで、住居が重要な役割を果たす可能性があるからなのだと思う。期待に応えねば!


0724
プロトタイプ展
同世代建築家、芦沢啓治氏と情報交換。エネルギッシュな氏の活動にはいつも感服させられる。昨年、様々な反響を生んだプロトタイプ展をオーガナイズしたのは他でもなく氏だ。”作り手側から何か発信できる仕組みを!”などなど、その他話に花が咲き大いに刺激を受けた。


0720
push me pull you 澄敬一
南青山骨董通りから1本入った裏路地にかつてあったアパレルショップ"VETEMONT"が澄敬一さんの手がけられたものであると知ったのは、6年も前の話になる。何故か塗装が剥がされ、壁沿いに並べられたピアノの鍵盤。帆船に使用される木製プーリーでコントロールされている商品達。以来氏の作るものが気になりチェックしていた。池尻大橋のpush me pull youが閉鎖されてから、昨今、どんな活動をしているのか、気になっていた。そんな澄さんの初個展、”鳩時計 push me pull you 澄 敬一の仕事展"が8月から目黒クラスカで行われる。ちなみに、氏の初ワークブック”1×1=2―二人の仕事”は昨年末に出版されている。こちらもおすすめ。


0718
アクロス工場工事現場
外壁、サッシ工事終了

0718
先入観と堅物
新しい仕事が始まり、充分な調査や検討を行っていない段階で、その仕事の最終形が脳裏に浮かぶことがある。そのこと自体は良いとか、悪いとか、判断できない。なぜならその道を極めると、瞬時に物事を決定出来る境地があるとも聞くし、ファーストインプレッションが最も重要とも聞く。ただ、自分が常日頃意識的に気をつけていることがある。思いつきや印象、先入観によって、物事を決めて掛かかるのではなく、あくまでそれらは先へ進むための仮説とし、仮説をドライブさせて進められるところまで真剣に話を進めてみる。行き詰ったところでその仮説を捨てる勇気を持つこと。一度描いた予想図は簡単に頭から離れてくれないが、日々のトレーニングで鍛えることも出来ると思う。
陸上競技のアスリート、為末大がかつてこんなことを語っていたのを思い出す。”本来は柔軟な思考の持ち主でも、情報を軽視したり、先入観に囚われたり、慢心した瞬間に、頭の堅い人物に変身する。正しい方法を探すことは大切だが、『これで間違いない』と思った瞬間から、思考の敗北は始まっている。常に現実を見据え、考え続ける努力をしている人だけが、柔軟な思考を持ち続けられる。。。。”自分は果たして思い込みの激しい堅物か?それとも柔軟な思考の持ち主か?


0716
山中湖K邸の現場定例。建て方終了。完成は9月

0715
残念
先日残念な知らせが届いた。都内屈指の地価評価額を有する立地における、商業テナントビルの設計の引き合いがあったのだが、キャンセルとなってしまった。提案内容がお粗末で、断られたのであれば、致し方ない。自分の実力が足りないのだから、さらなる精進を目指し、ポジティブに事態を捉えなおせば良い。だが、今回のケースは提案すらさせてもらえなかった。指名コンペティションノミネート枠からはずされたと言ったほうが分かりやすい。一等地における開発としては珍しく、開発ディベロッパーが全体をコントロールしているわけではなく、地主自らが設計者を探しているタイミングで、自分は知り合い、コンペの話は当初より持ち上がっていた。単なるガラス箱のような建物ではなく、今後のその地区の町並み形成を考慮した際のスタンダードとなり得るような、工夫とアイデアが欲しい、と語るオーナーの要望に、自分たちなら答えられる!と意気込んでいたのだが、最終的なコンペ参加企業は、老舗や大手総合設計事務所だった。信頼、実績、会社規模、体制、資本額などが判断基準のウェイトを占め、創造性やデザイン性は2の次の基準だったと聞いた。自分自身自慢できるほどの実績もない。会社も小さく若い。構造や設備は外注。大手と対等に渡り歩く総合力があるとは、とても言えない。ただ、創造行為を育む環境は整い始めているという実感はある。
クライアントサイドに立って考えれば、いくらアイデアや創造性による可能性を求めたとしても、事業全体を総合的に捉えた際、デザインや創造性による効果はごく1部分でしかないことはうなずける。何らかのリスクを伴ってまでして、求めるには値しない価値なのか。たまたま今回のテナントビル業態がそうさせたのか、世の中の多くの建築オーナーがそのように思うのか、考えさせられる出来事だった。

0710
多肉植物の森と開拓者たち

0708
カウンセラー
日々の仕事の大半は、口コミによる受託仕事が多い。初めてのお客さんとの事始まりには必ずといってよいほど”相談”の手順が存在する。商品開発が済んでいて、お客さんがお商品を買い求める様な商売の仕方をしていないので、当然といえば当然だ。こちらにはどこまで何が出来、何を得意としているのかが漠然としているのだから、相談によって、発注依頼内容とそれに対して提供されるサービスのギャップを埋めることになる。自分の生業は設計デザインを主たる得意業務としているはず?なのだが、相談の中には、デザイン提案を求めていないケースもある。単に設計技術者として設計図面を書いて欲しい。設計は終了しており図面はあるので魅力的な絵を描いて欲しい。関係利権者の間に立って情報処理のみ行ってもらえば既に他の役者は揃っている。デザインはもう既に固まっているので施工サイドとの通訳をして欲しい。などなど。相談を持ちかけていただいていること自体、非常に光栄なことであるし、例え設計デザインに携わることが出来なくとも、その計画が現在抱えている問題を発見できることは創造的だし、自身の参加が何らかのお役に立つのであれば、願ったり叶ったりということで、事態の状況掌握に努め、自分に出来ることを相談の場で探すわけだが、ここで気をつけていることがある。お客さんが真に求めていることは何であるかを見つけること。その上で、自分がそのプロジェクトに参画することの目的を見出すこと。求められていないことに時間と労力を費やしているようでは、仕事とは言えない。自己満足だ。対価を頂く以上、求められていることに対する何らかの提供が必要となる。また、目的意識を持てない仕事は全力投球できず、中途半端な結果に終わる。デザインを求めていないケースでも、提供できる他のサービスを視野に入れつつ、何らかの目的を見つけられる目。言葉の裏に隠された、真のニーズを見抜く目。それも、極少ない時間で。カリスマドクターやコンサルティングが少ないヒアリングで瞬時に状況判断するカウンセリング能力を磨きたい。

0704
設計と施工計画
都内某所の土地有効利用の相談を受けている。周辺業態は飲食店が多く密集繁華街の裏路地のような場所に立地する。当計画地においても飲食業態を見据えた建築計画案が浮上しているのだが、如何せん敷地までの工事車両搬入経路が狭い上に、搬入路頭上には電線が這っている。計画地もさほど広いわけではなく、10tミニラフタークレーンがぎりぎり乗りつけてとり回しが利く程度。2mの接道義務云々の法規制以前に、施工計画如何で、建築可能かどうかが決まる難立地だ。

0702
ゴールはどこだ?
梅雨明けしたかのような暑さ。夕刻過ぎから集中力も途切れはじめ、こんな夜はビールがうまい。ということで、事務所近辺の行き着けで、一杯ということになった。メンバーは、自分が経営するMS4Dの社外役員であり、同事務所のある同じビル2Fに入居しているA.C.O代表の倉島陽一氏と、MS4Dの社外パートナーの伊藤暁氏。話のネタは、各々のゴールはどこにある?と若さゆえか、一杯入った勢いか、議論に熱が入る。
倉島氏、伊藤氏共に、論客でするどい突っ込みを入れてくる。自分の長所はなかなか、自分で発見し,自覚を持つことが難しい。日々の仕事の忙しさにかまけて、自分に対する第3者的視点を見失いがちだ。境遇こそ違えども、似た志を持つこうした仲間からの意見は非常に参考になる。本日も心に残るフレーズをいくつか頂いた。忙しさを言い訳にせず、自分がどこに向かおうとしているのかを考えた上で、常に仮説を立て、実行し、実行したことを観察検証し、PLAN DO SEEで、次のステージへ向かう英気を充填して行こうと思う。